お塩を通じて世の中の役に立つお仕事がしたい。
勝浦市鵜原の海水から昔ながらの平釜式・天日製法で塩を製造し販売します。
日本の渚百選にも選定されている鵜原海岸の国定公園「鵜原理想郷」の麓の貴重な環境の海水を使って塩を造っています。
鵜原理想郷は、太平洋の荒波の浸食により形成されたリアス式海岸の美しい景勝地です。
大正時代末期に、別荘地として開発計画がありましたが、関東大震災と世界恐慌の影響により頓挫したことで、美しく壮大な自然が手つかずのまま残されています。
関東の沖縄とも呼ばれており、山の断層からのミネラルが豊富に流れる海水を使い塩を造ることができます。
塩を造るにあたっては、製法にはかなりこだわりました。
自分に与えられた環境状況で、一番効率良く、良いお塩を造るためにどうするか、各製法のお塩達を片っ端から試食し研究し、
自分なりに悩みに悩んだ結果、平釜式に辿り着きました。
平釜塩とは日本に昔からある伝統的な製法でつくられる塩です。大がかりな装置を必要としないので、自分のように小規模な工房でも製塩することができます。
海水を汲み上げた後、天日などで濃縮して、それを平釜でじっくりと塩の結晶にします。平釜とは、浅く広い平らな形で水分を効率よく蒸発させる日本でも昔から使われてきた鍋です。
自分はその鍋をステンレスで製作していただき、約140リットルほどの鍋にして、その鍋に合わせて釜を、先輩にもお手伝いいただき、コツコツと重量ブロックを積み重ね一生懸命造りました。
昔ながらの平釜式で、鵜原理想郷の海水100%を使用し、薪を使って何時間も掛けてじっくりと海水を焚き上げます。60時間丁寧に焚いて、やっとお塩は結晶化します。
海水を汲む時間と天気にもこだわりがあります。「新月」と「満月」の満潮の時にだけ海水を汲み、その海水からじっくり手間と時間をかけて丁寧に造っています。
「新月」の満潮時は、海底側から引っ張られる重力が強くなり、中層から表層の海水は非常におだやかで静かに流れています。
鵜原理想郷の断層から流れ込むカルシウムやミネラルが流れ込み、まろやかな塩になります。新月のお塩は、「カルシウム」が豊富で、塩味も弱く、素材の味を楽しむのに最適なお塩です。
「満月」の満潮時は、上から引っ張る力が強くなるため、中層から表層の海水が大きく混ざり合います。海中のマグネシウムやミネラルが多く含まれた塩味の強い塩になります。
満月のお塩は、「マグネシウム」が豊富で、コクと塩味があります。天ぷらやお肉料理に適しています。
イラスト・製作:今井和子さん
2022年1月 千葉日報、2022年11月 読売新聞(リンクは千葉日報)
テレビ
・2022年2月23日 BS日テレ「三宅裕司のふるさと探訪・千葉県勝浦市の旅」
・2022年4月29日 千葉テレビ「てくてく散歩」
・2023年7月22日 テレビ東京『出没!アド街ック天国』
雑誌
・Daytona(デイトナ)2022年5月号